日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

天使の群像

ほんまに放置やなあ。まあ仕方ない。

堤千穂ともいいかげん長いつきあいになります。いつ「はじめまして」の挨拶をしたかも記憶になく、最初に観たのはたしか電夏。チョコの古川さんがまだ役者をやっておられた。シアターグリーンですね。堤に「鵺的面白いよ」と言ってくれたのは、やはりそのとき出演されてた谷仲さんだったそうです。

あの頃はまさか拙作に出てもらうことになるとは思ってなかったし、同僚になるとも思ってませんでした。「本公演以外はすべて出演」という前人未踏の記録を成し遂げ、劇団員となり、そしてついに彼女に主演をしてもらうことになりました。

自分は完全に発想が「座付き」で、今回もアテ書きです。堤はそんな自分のイメージを大きく裏切って、かつ役を成立させるということを毎度やってくれます(これはとみやまもそうです)。それが作者としてはたいへん愉しいし、頼もしいと思っています。

堤が演じる道原先生という教師は、学校嫌いなのに成り行きで代理教員になってしまった、かつての「でもしか教師」以下のモチベーションしかない人物です。これが観客にどう受けとめられるのかわかりません。嫌う人もいるでしょうし、共感する人もいるでしょうし、よくわからない人もいるでしょう。にもかかわらず、何故このような人物をヒロインにしたかはフライヤーの裏にも書きました。本作の執筆は、学校という無数の思惑が行き交う磁場をさまよい、そこに道を見いだす作業であり、たいへん難儀でした。ことの単純化に抗い、世の複雑性に向きあうことが近年の自分に課した姿勢です。ハマカワは「共感する人はたくさんいると思う」と言い、寺十さんは「悪い人はひとりも出てこないが、好きな人もひとりもいない」と言う。どうにかそこから外れることはなかったなと、書き上げて実感しています。なんにせよ、道原という教師を好きになったら堤のせい、嫌いになったら高木と小崎のせいと思っていただければ幸いです。

小崎の演出をご覧になったことのない方は、この機会にぜひご覧ください。動物自殺倶楽部ですでに二度組んでいますが、まちがいなく才人です。「へえ、こんなことやってんだ」と驚かれると思います。自分も日々驚きの連続です。教養ではなく感覚の前衛と言いましょうか。特に音に対するこだわりが強く、傍で見ていて怖いほどです。北島とわさんという天才的なサウンドクリエイターが作ってくれた音を、平井さんがスズナリに響かせてくれます。照明の阿部さん、美術の荒川さん、初めて組む皆さんが拙作をどう彩ってくれるのか、本番がたのしみでなりません。

キャストも豪華で、おひとりおひとり触れていたらキリがないのでひとつだけ言うと、今回の裏テーマは「小西で笑いを取らない」です。どうかご期待ください。

そんな次第で、ぜひお目にかけたい作品になりました。暮れも良いところですが、お時間ありましたらぜひお越しください。多くの皆様のご高覧を願います。

演劇ユニット鵺的第17回公演
『天使の群像』
作  高木登(演劇ユニット鵺的)
演出 小崎愛美理(フロアトポロジー/演劇ユニット鵺的)
2023年12月21日(木)~29日(金)
ザ・スズナリ
155-0031
東京都世田谷区北沢1-45-15
03-3469-0511

[キャスト]
堤千穂
とみやまあゆみ
(以上、演劇ユニット鵺的)

井神沙恵(モメラス)
函波窓(ヒノカサの虜)
小西耕一(Straw&Berry)
小町実乃梨
佐瀬弘幸(SASENCOMMUN)
寺十吾(tsumazuki no ishi)
野花紅葉(モミジノハナ)
ハマカワフミエ
本井博之
森田ガンツ猫のホテル/なかないで、毒きのこちゃん)
山像かおり(西瓜糖)
吉水雪乃(風雷紡/コマイぬ)
渡辺詩子(SPARKO)

[スタッフ]
舞台監督 田中翼・伊藤新
アンダースタディ 今井勝法(theater 045 syndicate)
演出助手 石塚貴恵
照明 阿部将之(LICHT-ER)
音響 平井隆史(末広寿司)
Sound/noise/music/composer 北島とわ(Portowal birch)
舞台美術 荒川真央香
宣伝美術 羽尾万里子(Mujina:art)
衣装 髙木よしこ
舞台写真撮影 石澤知絵子
ビデオ撮影 小崎愛美理
webデザイン 成川知也
制作 J-Stage Navi
制作協力 塩田友克
企画協力 contrail
協力 コマイぬ/西瓜糖/なかないで、毒きのこちゃん/猫のホテル/ヒノカサの虜/風雷紡/モミジノハナ/モメラス/SASENCOMMUN/Straw&Berry/SPARKO/theater 045 syndicate/tsumazuki no ishi/株式会社地球儀/ケイエムシネマ企画/ザズウ/フォセット・コンシェルジュ/フクダ&Co./プレミアムエンターテイメント/ユーステール/AOI biotope/ACALINO TOKYO/krei inc./浄風寺
企画・製作・主催 演劇ユニット鵺的

[タイムテーブル]
12/21(木) 19:00
12/22(金) 19:00
12/23(土) 14:00/19:00
12/24(日) 14:00
12/25(月) 休演日
12/26(火) 14:00/19:00
12/27(水) 19:00
12/28(木) 14:00/19:00
12/29(金) 14:00

[注意事項]
※ 受付開始は開演45分前、開場は開演の30分前です。
※ 未就学児童のご入場はご遠慮ください。
※ 開演時間を過ぎてからのご来場はご指定のお席にご案内出来ない場合がございます。あらかじめご了承下さい。
感染症拡大等の影響で、公演内容を変更する場合がございます。ご来場直前に公式HP、X(Twitter)を必ずご確認ください。

[チケット]
全席指定
前売・当日 5000円
U25割引 3500円(各回枚数限定・J-Stage Naviでのみ販売)
高校生割引 1500円(要学生証提示・J-Stage Naviでのみ販売)
遠方割引 4000円(関東一都六県以外からお越しの方・ご住所のわかる証明書要提示・J-Stage Naviでのみ販売)

[発売]
ローソンチケット(webのみ)
https://l-tike.com/  (Lコード:35909)

J-Stage Navi 03-6672-2421 (平日12:00〜18:00)
http://j-stage-i.jp

[問い合わせ]
J-Stage Navi 03-6672-2421 (平日12:00〜18:00)

[公演当日問い合わせ]
ザ・スズナリ 03-3469-0511

 

デラシネ

・今回は『修羅』をブラッシュアップして長編化しようというのが元々の企画だった。ところが佐瀬さんひとり決まったきりで男優が集まらず、途中でもう『修羅』は捨て、男優は佐瀬さんだけ、あとは全員女優で固める話にすると方針変更した。

・つまり状況から生まれた作品である。自分としてはめずらしいことではない。むしろ思いがけない作品が世に出ることのたのしみがある。今回もそうだった。

・脚本家をモチーフにすると決めたのがいつだったか、なぜだったか、まったく記憶にない。天啓のようなものだったのだろう。自分の職業をとりあげるとなると冷静ではいられず、同時に慎重にもなり、結果「大嘘なのにシビア」という味わいのものになった。大時代な設定で現代を描くという点において、拙作では『幻戯』に近い。核に「真実」があるという点においても近い。

・告発や暴露を目的にしておらず、その誤解も受けたくないため、外国人名以外はすべて架空の人名、組織名にした。自分の実体験も1%ほどしか反映させていない。これはあくまでもフィクションである。昨今の世情を見ると「おたのしみください」とは言いづらい内容だが、現実からは切り離された物語である。

・とはいえ、四半世紀近く脚本家をつづけてきて、思うところは十二分にこもっている。才ありながらさまざまな事情で業界を去っていった人びとのことは、強く思いながら書いた。

・チタキヨの皆さん全員にご出演いただく機会は以前から作りたかったが、今回こそがそれだとヨナさんにご相談し、タイミング良く実現できることになった。新劇団員三人も初めて揃う機会だし、かくも貴重な公演をご提供できてうれしい。ご高覧を乞います。

 

演劇ユニット鵺的第16回公演

デラシネ

作  高木登(演劇ユニット鵺的)

演出 寺十吾(tsumazuki no ishi)

 

2023年3月6日(月)〜12日(日)

新宿シアタートップス

160-0022

新宿区新宿3-20-8 WalMall TOPS HOUSEビル4F

03-6457-4083(劇場ロビー・主催者直通/公演期間中のみ)

 

[キャスト]

小崎愛美理

堤千穂

とみやまあゆみ

(以上、演劇ユニット鵺的)

 

高橋恭子

田中千佳子

中村貴子

米内山陽子

(以上、チタキヨ)

 

川田希

木下愛華

未浜杏梨

 

佐瀬弘幸

 

[スタッフ]

舞台監督 田中翼・伊藤新

演出助手 中山朋文(theater 045 syndicate)

照明 青木大輔

音響 岩野直人・齋藤正樹(STAGE OFFICE)

音楽 坂本弘道

舞台美術 袴田長武

宣伝美術 羽尾万里子(Mujina:art)

衣装 上岡紘子

舞台写真撮影 石澤知絵子

映像撮影 浪谷昇平・木村聡志・小崎愛美理

webデザイン 成川知也(MU)

制作 J-Stage Navi

制作協力 contrail/塩田友克

協力 チタキヨ/動物自殺倶楽部/フロアトポロジー/theater 045 syndicate/tsumazuki no ishi/SASENCOMMUN/株式会社地球儀/ケイエムシネマ企画/ザズウ/スターダストプロモーション/フォセット・コンシェルジュ/ミッシングピース/有限会社ジェイ.クリップ/ACALINO TOKYO/BOX CORPORATION/Pita.inc/イッカイ・東五反田/Mujina:art/浄風寺

[タイムテーブル]

3/6(月) 19:00

3/7(火) 14:00

3/8(水) 14:00/19:00

3/9(木) 14:00

3/10(金) 14:00/19:00

3/11(土) 14:00/19:00

3/12(日) 14:00

 

[注意事項]

  • 受付開始は開演45分前、開場は開演の30分前です。
  • 未就学児童のご入場はご遠慮ください。
  • 開演時間を過ぎてからのご来場はご指定のお席にご案内出来ない場合がございます。あらかじめご了承下さい。
  • 新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で、公演内容を変更する場合がございます。ご来場直前に公式HP、Twitterを必ずご確認ください。

 

[チケット]

全席指定

2023年1月25日(水)10:00A.M.~発売開始

前売 4800円

当日 5000円

U25割引 3500円(各回枚数限定・J-Stage Naviで前売のみ販売)

遠方割引 4000円(関東一都六県以外からお越しの方・J-Stage Naviで前売のみ販売・受付でご住所のわかる証明書をご提示ください)

 

[発売]

ローソンチケット(WEBのみ)

(Lコード:35101)

l-tike.com

 

J-Stage Navi 03-6672-2421 (平日12:00〜18:00)

 

 j-stage-i.jp

 

 

[問い合わせ]

J-Stage Navi 03-6672-2421 (平日12:00〜18:00)

 

[公演当日問い合わせ]

新宿シアタートップス 03-6457-4083(劇場ロビー・主催者直通/公演期間中のみ)

 

 

ことし

・ほんと年に二度くらいしか更新しなくなってしまった。つうか公演前と年末にならないと思い出さない、もはやこのブログ。動物自殺倶楽部については触れてもないし。

・今年は動物自殺倶楽部にはじまり、動物自殺倶楽部に終わった。一月と十二月ですから。『バロック』は再演だから、新作は動物でしか発表していない。顕史郎さんとハマカワから鵺的と動物自殺倶楽部の違いについて意見を聞かされ、顕史郎さんは「(動物は)高木さんが若い人と組めばそれで良いんだと思いました」と言い、ハマカワは「ブランキーとシャーベッツの違いではないか」と言う。どちらも当たっている。鈴木慶一さんが自分より若い人たちと組んでコントロヴァーシャル・スパークを始めたのは意識していた。不断の自己改革の念がなければできないことで、慶一さん素敵だなと思ったのである。あの人は一生「ラク」をしないつもりだ。本当に素晴らしい。実はもうひとり意識した方がいるのだが、いろいろあってここには書けない。常に自分よりも若い脚本家と組み、最期までブレずに現役だった、ある映画監督である。

・鵺的が港に停泊しているあいだに、行き損なった場所や、再訪してみたい場所へ、赤猫座につきあってもらい、小舟に乗って出かける……というくらいのイメージではじめた動物自殺倶楽部だが、『恋愛論』『バロック【再演】』を経て、『凪の果て』でたどり着いたのは、昔なじみの場所だった。顕史郎さんや入江信吾君からは「高木さんが帰ってきた」と言われ、複数の方から「『暗黒地帯』を思い出した」と言われた。そうか、ここだったか……と自分で自分を再発見した。すべて無意識に任せているから、したことの意味はあとになってからわかることが多い。平山君や加藤さんと航海していたころは手探りで不安な旅路だったが、奥野さんや福永さんたちとの航海で経験値も上がり、新たなメンバーとともに向かう先はどこなのか。旅の仲間が変われば、旅の目的も変わる。なんとなく見えていたものが、いまならわかる。あらためて初期の旅路を辿ることを志向していたのだと、いまならわかる。『凪の果て』が他ならぬ雑遊で上演された意味も、いまならわかる。鵺的では作風としてしか辿りなおせない道でも、動物ならば公演規模から辿りなおせる。『恋愛論』は鵺的と動物自殺倶楽部のバイパス工事のような芝居だった。あれがあるから道がひとつにつながった。「辿りなおすこと」「回帰すること」「見つめなおすこと」がこの先の一貫したテーマであることがわかった。

・動物自殺倶楽部では現在の鵺的のラインに乗せられない過去作も再演していきたいと思っている。たまにしかやらないユニットなので、来年の公演はない。次はおそらく再来年になると思う。赤猫座も都合があるので、次の次はかなり先になるだろう。次は「あれ」をやりたいと、赤猫座には話をした。

・鵺的の次回三月公演は『デラシネ』である。脚本家が脚本家の芝居を書く。自分の出生にまつわる話も当然のごとく盛り込む。自己模倣や主題の反復を、いつの頃からかおそれなくなった。それは書こうとして書くものではなく、勝手に書いてしまうものだとわかったからだ。旅はつづく。来年もよろしくお願いいたします。

バロック【再演】

・初演時の当日パンフレットに書いた文章を再掲する。

鶴田法男監督とホラー作品の企画を考えていたとき、「これではホラーにならないよ」とよく言われました。自分の考えた構想では、登場人物があまり怪異を怖がらないのです。怪異におびえる人を見せるのがホラー映画の肝のひとつですから、これは鶴田さんのおっしゃるとおりなのでした。

 

なぜそういう発想になるかというと、自分が怖がりではないからです。神秘的な体験はいくつかしていますが、いずれもどこか滑稽で、恐怖したことはほとんどありません。「人のぬくもりが感じられる霊体験」ばかりなのです。そのせいかどうかわかりませんが、ホラー映画はもっぱら微笑みながら鑑賞するのが常です。

 

本作には幽霊屋敷も亡霊も登場しますが、多くの登場人物がその存在を受け入れており、怪異も禍をもたらすものばかりが起きるわけではありません。したがってこれはホラーではなく、されどジェントル・ゴースト・ストーリーでもない、毎度のことながら、おさめる場所が見当たらないような作品になりました。自分の心霊観、死生観にしたがって書いた、奇妙で苦い物語です。最後までおたのしみいただけますと幸いです。

・思えば世の中はコロナ禍以前であった。正確にはそのとば口にあった。新型コロナウイルス感染症について、世の人びとはまだよくわかっていなかった。同時期に公演していた別団体は会期中も飲み会をやっていた。われわれは会期中は飲み会を禁止したが、最終日の打ち上げは実施した。そうしたことがまだ批難の対象にはならなかった頃だった。一方でスズナリのロビーにポスターが貼ってあった大きな公演のほとんどは次々に中止になった。その後はご存じの通り。

・この文章はどこかのどかである。それは「あえてコロナ禍については触れない」という選択をした結果である。ひねくれ者の意地というか、得体の知れない感染症はとりあえず閉め出し、作品のことだけで世界を閉ざそうと思ったのだった。

・二年が過ぎて気が変わり、本作の改訂作業は作中にこめられた「現在」と「世界」を掘り返す作業であった。ひさびさに読み返すと、日々いま感じているようなことを先取りする台詞があったり、あるいはこの感覚はすでに古いなと思うような表現があったりで、自分と世界の変化のスピードを実感させられた。台詞も変えたしト書きも変えた。ト書きはお客様の目に触れないものだが、よろしければ販売台本をご確認いただければと思う。初演時台本も販売するので、読み比べていただくのも一興だろう。

・自分はひたすら「家族否定」と「恋愛不能」の物語を書いてきた。これから先も書くだろう。だが娯楽作品のフォーマットでそれをやるのは、しばらくお預けになると思う。今回の改訂作業において、世界の総体としての複雑性を描くことと、シンプルなロジックを必要とするエンターテインメントの作法に折り合いをつけることの困難を感じた。そろそろ「次」へ行く頃だなと痛感したのである。奥野亮子さんと駆け抜けた五年間は、同時に福永マリカさんとも駆け抜けた五年間であった。今回の再演は彼女たちと作ってきた作品群のピリオドとなる。大袈裟に聞こえるかもしれないが、自分にとってはひとつの時代の終わりである。この間の拙作を愛してくださった方々にはぜひ見届けていただきたい。ご高覧を乞います。

 

演劇ユニット鵺的第15回公演 バロック【再演】

作  高木登(演劇ユニット鵺的)

演出 寺十吾(tsumazuki no ishi)

2022年6月9日(木)〜19日(日)

ザ・スズナリ

155-0031

東京都世田谷区北沢1-45-15

03-3469-0511

 

[キャスト]

碓井将大

岸田大地

小崎愛美理(フロアトポロジー/演劇ユニット鵺的)

笹野鈴々音

白坂英晃(はらぺこペンギン!)

杉本有美

常川博行

中田顕史郎

野花紅葉(モミジノハナ)

葉山昴

春名風花

福永マリカ

吉村公佑(劇団B級遊撃隊/Ammo)

 

[スタッフ]

舞台監督 田中翼・伊藤新

演出助手 中山朋文(theater 045 syndicate)

稽古場代役 函波窓(ヒノカサの虜)

アクション指導 宗像拓郎(A&Cスタジオ・ユニットことのは)

照明 阿部康子・松田桂一

音響 岩野直人(STAGE OFFICE)

音楽 坂本弘道

舞台美術 袴田長武+鴉屋

宣伝美術(フライヤー・当日パンフレット) 羽尾万里子(Mujina:art)

仮チラシデザイン 今治ゆか

舞台写真撮影 石澤知絵子

ビデオ撮影 木村聡志・浪谷昇平

webデザイン 成川知也(MU)

衣装 上岡紘子

制作 鵺的制作部・J-Stage Navi

稽古場制作 吉水恭子(芝居屋風雷紡)

制作協力 contrail

キャスティング協力 Nana Produce

協力 劇団B級遊撃隊/芝居屋風雷紡/動物自殺倶楽部/はらぺこペンギン!/ヒノカサの虜/フロアトポロジー/モミジノハナ/Ammo/MU/theater 045 syndicate/tsumazuki no ishi/アイエス・フィールド/アクトレインクラブ/イマジネイション/ザズウ/フォセット・コンシェルジュ/フリップアップ/レディバード/ワタナベエンターテインメント/Pita.inc/Spacenoid Company/Mujina:art

企画・製作・主催 演劇ユニット鵺的

芸術文化振興基金助成事業

 

[タイムテーブル]

6/9(木) 19:00

6/10(金)19:00

6/11(土)14:00/19:00

6/12(日)14:00

6/13(月)14:00/19:00

6/14(火)休演日

6/15(水)19:00

6/16(木)14:00/19:00

6/17(金)19:00

6/18(土)14:00/19:00

6/19(日)14:00

 

[上演時間]

2時間(予定)

 

[注意事項]

・受付開始は開演45分前、開場は開演の30分前です。

・未就学児童のご入場はご遠慮ください。

・光の明滅が激しい演出、大音響による演出がございます。あらかじめご承知置きください。

・開演時間を過ぎてからのご来場はご指定のお席にご案内出来ない場合がございます。あらかじめご了承下さい。

新型コロナウイルス感染症拡大等の影響で、公演内容を変更する場合がございます。ご来場直前に公式HP、Twitterを必ずご確認ください。

 

 

[チケット]

一般発売 2022年4月23日(土)A.M.10:00~

全席指定

前売 5500円

当日 5800円

U25割引 4500円(枚数限定・J-Stage Naviでのみ販売)

 

[発売]

ローソンチケット

(Lコード:31879)

https://l-tike.com/search/?keyword=31879

 

J-Stage Navi 03-6672-2421 (平日12:00〜18:00)

http://j-stage-i.jp/nueteki/

 

[問い合わせ]

J-Stage Navi 03-6672-2421 (平日12:00〜18:00)

 

[公演当日問い合わせ]

ザ・スズナリ 03-3469-0511

 

『夜会行』終演(2)

・9月3日で配信公演が終了しました。ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。というわけで二度目のご挨拶。

・作品解説的なことはパンフレットをご覧いただくのがいちばん良いと思います。お買い逃しになった方は、観劇三昧で購入可能です。文庫サイズ台本も購入できますので、ぜひ。

Twitterのプロフィールに「脚本家/特殊劇作家」としばらく表記していたのですが、本作の情報解禁をする前くらいに「特殊」の文言を外しました。この作品を書く人間が「特殊」を名乗ってはいけないと思ったからです。特殊であること、特異であること、異端であること、そうしたことを積極的に引き受けるのを厭わずにやってきましたし、それを捨てる気はさらさらありません。ただ本作は特殊からも特異からも異端からも遠く、いっそう普遍にひらかれたものにしないといけないと思っていました。そうあることが、ある種の状況に対するカウンターにもなると思っていました。

・海外(主に米国)の映画やドラマを見ていると、女性問題、人種問題、LGBTQ+の問題、人権を巡る諸問題が直接的、間接的にとりあげられることが多く、それがアップデートされた価値観で構築されていることに気づかされます。これは一過性の表層的な現象ではありません。なぜならいずれも人間の実存に根ざす問題だからです。個人では手の届かない地の底からの大きな変化が起きているのです。

・日本はその点まだまだ遅れていて、すぐれた作品が生み出される一方で、無思慮な作品も目立ちます。無名の脚本家は無力ですから、こちらがいくら思慮を重ねても、他のスタッフと志が共有できていなければおしまいです。そういう意味で、作品をコントロールできる立場にいられる鵺的という場所は、自分にとってとても貴重なものです。『夜会行』も、この場でなければできなかったし、このタイミングでなければやれなかった作品だったと思っています。

・現在、自分の関心は、鵺的でいままで取りあげて来た「性」や「暴力」、あるいは「出生」といった問題を、より更新された価値観で描くことにあります。あらたな「異端」、あらたな「耽美」を探ることにあります。それがどのような物語になるのか、どのような顔を持った作品になるのか、自分でもまったくわかりません。わからないからこそ、やる気になっています。新作をお目にかけるのは少し先になりますが、どうかご期待ください。

・『夜会行』は小さな作品でしたが、自分にとってはとても大きな節目となった一作でした。多くのご感想、本当にありがとうございました。次はソフト化です。詳細は決まり次第告知いたします。今後ともご注目ください。