日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

ルデコのトイレは広かった

バリウムはまずかったです。最近はヨーグルト味だと聞いてたのでたのしみにしてたんですが、当てが外れました。そして発泡剤はあいかわらずキツかった。絶食のせいか、注射のせいか、トシのせいか、しばらく目がかすんでいました。
・地味な少人数稽古が終わりまして、今週からついに本稽古がはじまります。台本も改訂して発送、いろいろ楽しみです。明日は本チラシが届きます。最初にお目に触れるのはハイバイの公演かと思われます。どうかご関心ください。
・きのうは「幻戯」に出てくれた浜野隆之くん出演のMU「JUMON(反転)/便所の落書き屋さん」を観てきました。浜野くん、「便所」の方は主演。しかも十七歳役。見えてくるから不思議。芝居は非常に面白かったです。ハセガワさんの作品はMU本体で観るのははじめてで、昨年荻窪メガバックスシアターで観た「めんどくさい人」以来。若手の作品ではしばしば必要以上に「悪意」が目立つというか、「作為としての悪意」が鼻につくものが散見されます。ハセガワさんの作品にもネガティヴな要素、ネガティヴな事象がまちがいなく描かれていますが、それがあまり感じられません。今回の短編二作品とも決してハッピーなエンディングではない(両作ともそれを佐々木なふみさんが一身に担っている)。されどあくまでもポップ、後味も悪くない。つまりハセガワさんがあらゆるものに対してシンプルにポジティヴなんだと思います。演劇に、表現に、世の中に、そして人間に。この「影を自覚した明るさ」はとても心地よいものでした。機会あらば今後とも追いかけていきたいと思います。俳優は皆粒ぞろいで、小林タクシーさんと清水那保さんのファンになってしまいました。おふたりがそろって出演されてたDULL-COLORED POPの「ショート7」を見逃したことを激しく後悔しています。
村上春樹の「1Q84」がどーんとアマゾンから届いたものの読むヒマがねえ。強引にでも時間を作るか。