日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

灰にもなれず塵にもなれず

・心を焼かれて花になる。
・仕事を片付け、どうにも気分が晴れず、酒でも飲もうと思ったが、飲んでも酔えず、なにもできず、けっきょく頭を抱えたまま一日が終わる。
俊彦さんから、こないだの公演手伝いのお礼に「高木さんがセレクトした曲を灼いたCD-Rをください」とのお話があったので、それを作った。コンセプトをどうしようかと思ったが、あえてなにも考えず、好きな曲をただ並べていった。結果、なんというか、傍から見てどう受け止められるのかよくわからない選曲となった。入ってるのは佐野元春とか青山陽一とか大貫妙子とか早川義夫とか山下達郎とか井上鑑とか高橋幸宏とか友部正人とか吉田美奈子とか、自分にとってはいたっておなじみの方々で、若くてサニーデイ・サービス中村一義といった感じだから、たぶん、いや、確実に「古い」。とどのつまりは、十代後半の頃に影響されたアーティストにいまだに呪縛されつづけてるのだという自己確認ができた。俊彦さん、ありがとう。自分的にも有意義でした。
・作業中、どこかにいってしまったと思っていた濱田理恵の「無造作に愛しなさい」が出てきて喜ぶ。ダリエさんはアニメファン的には「ママレード・ボーイ」の主題歌を歌ってた人、音楽ファン的にはメトロトロン黎明期を支えた重要な女性アーティストのひとりだ。長らく廃盤状態がつづいてるが、「笑顔に会いたい」をボーナストラックにして、どこか再発しませんか。いまさらながらいいアルバムです。
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