日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

スパイラルスパイス

・中野の劇場MOMOにて、山本清史作演出の『スパイラルスパイス』という芝居を観てきました。山本君は昨年も『ザ・シックス・メカニクス』という芝居を作演出しており、舞台は二作目になります。
・構造は完全にミステリなので内容に関しては触れられませんが、芝居に関して言うと、昨年に比べると演者の質にばらつきが見られたのが少し残念でした。芝居の中心になってるのは堀本さんで、それにきっちり呼応してるのは三坂さんだけです。というか、おふたりともはっきりやりすぎなのですが、これとおなじ演技の質を備えた俳優があとひとりかふたりいれば、いい感じでまとまったし、落ちついてきたのではないかと思います。
・テーマは山本君ならではのもので、それについて書くのがこれまたネタバレになるので何も書けないのですが、ラストがとてもよかった。嘘くさくない「救い」が描かれていて、これは見事でした。
・MOMOは『堕天使の群れ』以来で懐かしかったです。ちなみに『堕天使』のオチが本作とほぼおなじで、奇遇に驚きました。あれは思い入れのある作品のひとつなので、いつか全面改訂して再演したいと思っています。
・そういや、きのうのマチネを山本君がtwitterで実況してたのです。こういう使い方もアリですね。