日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

だいぶ

・復調してきました。準備会も欠席させていただき、療養に努めました。
・『アイアンマン2』。完全に『アベンジャーズ』の前哨戦なんですね。監督が役者のせいか、キャストの芝居がとにかく良いです。サム・ロックウェルの寒いプレゼンに対する客席のグウィネス・パルトロウスカーレット・ヨハンソンのリアクションが最高。あとなにげに監督の出番が増えていて笑いました。ジェフ・ブリッジスにせよ、ミッキー・ロークにせよ、こういうものに理解のある大物は素敵だと思います。『3』は監督がシェーン・ブラックに変わるようですが、末永くつづいてほしいシリーズです。
・『マッドボンバー』。なんと粗っぽい。されどチャック・コナーズとネビル・ブランドが本物の変質者にしか見えず、その迫力によって作劇上の不利がさほど気にならないという、役者の顔に助けられた作品です。このころのアメリカ映画が好きです。傑作からいびつな作品まで、精神的、風土的荒廃を娯楽性ゆたかに描くという、後にも先にもない時代だったと思います。しょせん後追いの自分ですが、目指したいのはこの境地です。