日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

片想い撲滅倶楽部

・稽古後は飲み会。「軽く行きますか!」との姐の言葉であったが、終了は一時半。当然タクシー帰途。けど料金的には思ったほどではなく、大久保って意外と近いんだなと。帰宅二時過ぎ。
・そんな調子であったから翌日の予定が見えなかったが、無事に午前中に起きられたので、MUの「片想い撲滅倶楽部」を当日券滑り込みで観劇。ハセガワさんは「神様はいない」をシリアスでハード、「片想い」をキッチュでファニーと形容してるが、両作品に実はそれほどの距離はなく、「神様」にもキッチュでファニーなところはあり、「片想い」にもシリアスでハードなところがあって、そうしたふたつの側面が重なり交わりあうところこそが面白いし、「味」になっている。それがたぶんハセガワアユムの作風なのだと思う。前から興味深いのが、ふつう劇作家は創作においてのみ作家性を感じさせるものだが、ハセガワさんはその制作姿勢にも作家性を感じさせられることで、たぶんハセガワさんは創作姿勢と制作姿勢が奇跡的に一致してる幸運な作り手なのだ。そこらへんの切り口から劇評を書いてみると面白いんじゃないかと思っている。