日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

電動夏子安置システム「深情さびつく回転儀」はバカミスだった!

・読んでタイトルのごとし。初見。こういう劇団だったんだなあ。その種の嗜好がある方は必見である。
・内容が内容につき、ここで触れるわけにはいかないが、展開の複雑さに作り手も不安になったのか、当日パンフ(カラー六ページ!)に書かれた解説を事前に読んだ上でごらんいただけるとより作品を楽しめると前説でアナウンスしていた。結論から言えば、読まずとも内容はわかる。ただ、わからない方多数なのもわかる。バカミス愛好家は白紙のまま観劇し、そこらへんに不慣れな方は解説を頭に入れて観るのが良いだろう。
・いいなあ、バカミス。自分も舞台でバカミスをやりたいのです。『堕天使の群れ』なんて比較的バカミス度が高い作品でしたが、もっと本格的に大真面目にやりたい。実はタイトルも用意してるのですが、まあ実現するとしてもまだ先ですな。
・そんな自分は『本格ミステリ・フラッシュバック』(東京創元社)という本を購入してちびちび読んでいます。帯に「本格不遇の時期の傑作・怪作を徹底的に紹介する瞠目のガイド!」とありますが、看板に偽りなしです。赤川次郎を正当に評価しているところが素晴らしい。荒木一郎がミステリ小説を書いてたなんてはじめて知った(密室トリックがあるハードボイルドなんだと)。これを読み終わった後は、古本屋のワゴンセールが宝の山に見えることでしょう。