日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

高校演劇地区大会の審査員を務めたこと

・この連休中、高校演劇城東地区大会Bブロックの審査員を務めてきました。『丘の上、ただひとつの家』をご覧いただいたさる学校の顧問の先生が推薦してくださった結果です。演劇をやっているとこういう巡り合わせがあります。
・他の審査員お二人が誰なのか事前に知らされていませんでした。どなたが来るのかとハラハラしていたら黒澤さんオノマさんでした。共通の知り合いも多いのにちゃんとご挨拶したことがなかったので、この出会いはうれしかったです。
・どの学校も楽しく拝見しました。ただし講評は甘くせず、あくまでも玄人目線で。例えが適切かどうかわかりませんが『イカ天』なんかも伊藤銀次吉田健の「プロの視点」が面白かったわけで。あと黒澤さんが演出家目線なので、自分はなるべく作家目線を心がけました。
・審査員をやってよかったのは、壇上で作品を裁く立場にある以上ヘタを打てなくなるプレッシャーがかかるということと、講評しながら日頃の考えが整理できるということ。話しながらいままでの人生で多少なりとも自分が獲得してきたものを若い者らに伝えていかなければという使命感に駆られたりもしました。子供作っときゃよかったかなと思ったり。三十で作ってりゃいま高校生ですからね。俺人生間違えたかなあとか。彼ら彼女らの親御さんがうらやましかったです。
・そんな次第で伝えたい言葉がまだまだありました。授賞式の後か前に「総評」のコーナーがあったらよかったですね。黒澤さんもオノマさんも選に漏れたり推薦校に推せなかった学校の学生たちにまだまだ話したいことがあったんじゃないかと思う。自分も潤徳女子の作者には伝えたいことがありました。むろんポジティヴなことです。
・秘かにたのしみにしていたのがわが母校の深川高校でした。そう実はOBだったのです。自分が通ってた頃は文化活動はまったく盛んではなく、文化祭やっても全クラス模擬店みたいな感じだったので(つまり文化祭ではない)、三十年経ってどんな風になってるのかなあと期待してたわけです。
・期待通りというか期待以上というか、あまり褒めると依怙贔屓になるので書きませんけれども、現在の深高生がかくも才気あふれる作品を作っていたことがうれしかったし誇らしかったです。Facebookでヨナさんこと米内山陽子さんに教えられたところでは、作者は年頭の短編大会で最優秀だったとか。今後がたのしみな才能です。
・都大会は可能なかぎり駆けつけるつもりです。都立科学技術高校と都立紅葉川高校の健闘に期待します。