日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

大人の時間

吉祥寺シアターにてTHE・ガジラの『大人の時間』を観てきました。ガジラはひさびさだったんですが、やっぱ鐘下さんは良いですねえ、心の故郷にもどってきたような気分になりました。タイトルとは裏腹に、成熟できずに傷を抱えたまま浮遊している人びとの物語。前のめりに堪能しました。29日まで。
・客席は年配の方が多く、そんなに笑うようなところでもない箇所で笑う方が散見されるのが気になりました。なんというか、シリアスな物語のストレスに耐えきれず、その気まずさをごまかすためのような笑いなのです。容赦ないダイアローグが展開されるのに参ったのでしょうか、けれど作り手はそれを観客に正面から受け止めてもらうことを期待して作っているはずです。こういうときこそ「空気」を読んでほしい、そう思います。