日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

あれやこれや

BS2で『刑事コロンボ』完全版が放映されていて、毎度堪能しています。まあ、とにかくよくできている。笑わせる。いちいち感心させられます。ジャッキー・クーパーがゲストの「野望の果て」というエピソードは幕切れが鮮やかで痺れました。DVD買ってしまおうかしら。初放映時にカットされた箇所の吹替を銀河万丈さんがアテており(遜色なし、よく聞くとわかる)、たいがいお笑いシーンなのが可笑しいです。
ちくま文庫で出ている外山滋比古の『思考の整理学』がやたらと売れていて、話の種に読んでみたものの、こんなものなら加藤秀俊の『独学のすすめ』の方がよほどすぐれている、しかし現在絶版なのでぜひとも復刊を望むというエントリを書こうと思っていた矢先に、当のちくま文庫から復刊されました。これを読んだのは二十歳前後の頃で、わずかなりとも自分に向学心というものが備わっているとすれば、すべてこの本のおかげです。加藤先生は放送大学の初期に授業を持っておられ、自分も受講しました。あそこのカリキュラムにはかなりの部分、先生のご意向が反映されていることが本書を読むとよくわかります。万人におすすめしますが、特に放大で学んでいる方に読んでいただきたい一冊です。
・次回公演が動き出しました。自分でもちょっとたのしみです。