日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

静養

・今週はいいかげん働き通しだったので、今日は一日静養した。だいたい人一倍体調管理には気を遣ってるのだが、それでも崩れるのはメンタルの問題である。メンタルを休ませる暇がないから身体が壊れる。だからどうしても誰にも会わない時間が必要となる。不義理も多くてもうしわけないのだが、ここで休んでおかないとさらに迷惑がかかることになるのです。
48歳の元役者が47歳の役者を殴り殺して逮捕された。ふたりは電話代行業のアルバイトで同僚だったらしい。いやでもいろいろなことを考えさせられる。年齢が年齢だし、なによりも役者の起こした事件である。加害者の方を検索してみたら、知ってる役者も共演していて、ほんとにすぐそこで起きたような出来事なのだった。駆け出しで喰えなかった頃に短期のバイトを点々として、深夜に通販の電話を受ける仕事をしていたことがある。そこは喰えない役者、ミュージシャン、芸人その他の巣窟だった。先輩に感じの悪い人がいたので楽しくはなかったが、ある種の一体感はあった。あの人たちはどこでどうしているのだろう。肩書きに「元」はついているのか、いないのか。その差が生んだ事件だろうか。