日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

悲しい夢

・ひどく悲しい夢を見て夜半に目覚めた。それはもう絶対に実現するはずのない出来事で、決して笑顔で語り合うはずのない人びととたのしい時間を過ごしていた。なぜいまこんな夢を見るのか、わかるようでわからない。いや、わかっているのだ。わかっているが言葉にしたくないだけだ。言葉にした途端、それはほんとうに失われてしまう。はっきりさせるのか、混沌とさせたまま胸のうちにおさめておくのか。ずっと葛藤している。体調は良くならない。悲しみは身体を壊すのだと知った。
・実現不能な夢よりも実現が決まっている現実を見なければならない。五月公演の仮チラシとキャストを公開した。今回のキャスティングは高木と寺十さんは当然のこと、さまざまな方の意見が反映されたものとなっている。普通にしていれば決して交わるはずのない人びとが一堂に会しており、なにが起きるかわからないという点において成功していると思う。
・何度も書いているが自分はアテ書きである。だが寺十さんはそれに抗いたいと言う。だから現在執筆中の台本がどのように具現化されるのか下手なことは書けない。猫田さんとコタと秋澤さんと奥野が四姉弟のつもりだとか書けない。書いたけど。これは動かしようがないと思うんだよなあ。さあどうなってるか、本番に乞うご期待。