日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

鵺が、


・奥野のツイートから拝借。いい写真すな。橋Kナイス。
・お足元が悪いどころではない台風到来のなか多数のご来場ありがとうございました。キャンセル待ちのお客様もお帰りいただくことなくご覧いただけて、一同安堵しております。
・奥野ともども日頃から考えていたのが「死んではいけない」「なにがあろうと生きていかなければならない」ということで、それをテーマに福永マリカとの二人芝居を書いてほしいといわれて書いたのが『あなたとなにを語りあったか、わたしはもう忘れてしまった』という新作です。「自殺した男の妻と愛人」という設定を即座に思いつき、残された人間の悲哀と残していった人間の残酷を描くことにしました。けっこう粘ったためにふたりには迷惑をかけてしまいましたが、それだけのものにはできたと思っています。いずれ演劇のかたちをとって立ちあがるのがわれながらたのしみです。
・『ふいにいなくなってしまった白い猫のために』は役者変わればここまで変わるという好例で、演出の解釈も異なるために、初演とはまるでちがったものになりました。自分は堤千穂に「これはほんとに猫が化けて出たのだという解釈でやってくれ」と言い、つまりは綺譚のつもりで演出したのですが、奥野は「あれをみんなは不思議な話だと思ってるけど、わたしはそうは思わない」という解釈で演出し、ああいうかたちになったわけです。お客様のツイートを拝見していると、その意図を正確に汲み取っている方が何人もおられ、再演の成果としては上々と言って良いのではないかと思います。
・今回は企画の立ち上がりを横で見ていただけですが、奥野は人の上に立ってあれこれ指揮をするのに向いてるんじゃないかと感じました。本人なりに反省もあるのでしょうが、最後までたのしげだったし、それはようするに才能です。vol.2は具体的な時期も考えているようなので、続報をお待ちください。
・奥野を扇の要にして、浅倉君、福永マリカ、生見さん、丸川さんと、その場に会するのは初めての方ばかりだったのも新鮮でした。自分にとっても忘れがたい一夜になりました。