日日鵺的(新)

演劇ユニット鵺的と動物自殺倶楽部主宰、脚本家の高木登が年に二、三回綴る日々

『奇想の前提』終演

・いろいろな方から「この発想はどこから思いついたのですか?」と聞かれるのだが記憶にない。もともとは乱歩と正史の書いた事件がすべて現実だった世界の話を想定していたのだが、そのふたりを結ぶものは歴史的事実は別としてきわめて個人的な思い入れによ…

『奇想の前提』明後日初日

・どうもブログを忘れる。ツイッターやってると、そういう生理になっちまうんだろう。「鵺が〜vol.2」のことも書かずに、気づいたら写真展以来の更新だ。 ・というわけで新作である。『パノラマ島綺談』も『大暗室』も『孤島の鬼』も『猟奇の果』も『黒蜥蜴…

写真展開催中

・トライアルのキャスティングの相談を奥野としているときに、男優は橋Kを呼ぼう、橋K呼ぶなら写真がらみの芝居にして連動企画で写真展やろうと、一気にそこまで話を進めたような覚えがあります。そんなわけで現在写真展が開催中なわけですが、演劇的にも…

『フォトジェニック』終了

・遅くなりましたが、ご来場いただきました皆様、ありがとうございました。今回は本公演でないこと、狭い劇場であったうえに先行販売、前売が好調であったことなどから、身内でも主に大人組の方にはあまり積極的にご案内はしておりませんでした。その点他意…

賀正

・昨年一昨年と年末年始は最悪な気分で過ごしたが、今年がそうでもないのはその原因を絶ったからである。人生生かすも殺すも人次第、どうせなら人を活かすために生きたい。そういう意味で芝居は生きがいとして最高である。 ・『フォトジェニック』という芝居…

鵺が、

・奥野のツイートから拝借。いい写真すな。橋Kナイス。 ・お足元が悪いどころではない台風到来のなか多数のご来場ありがとうございました。キャンセル待ちのお客様もお帰りいただくことなくご覧いただけて、一同安堵しております。 ・奥野ともども日頃から…

三ヶ月ぶりの更新は告知

・先日、打ち合わせの帰り道、さる先輩と「書けない談義」をした。自分より数歳上のその方いわく、やはり四十代後半からだんだん書けなくなってきたという。この場合の「書けない」とは「なにを書くかはわかっているが、かたちにするのがつらい」状態をさす…

この家に生まれてよかった

・自分で自分のことを「すげえ」というのが苦手だ。芝居などというものをやっている以上、自分が作ったこの作品があなたにとっても価値があるということを喧伝しなければならない。こうした言葉がどうしても出てこず、要は自分の言葉はあくまでも作品を創る…

本日初日

・酷い話だ酷い話だとつらい気持で書いた物語を寺十さんは「愛についての話だ」と言い、事実作者を泣かせてみせた。作者だからこそ泣いたのかもしれないと思ったが、奥野も秋澤さんも泣いたと言うし、見学に来た外山弥生も泣いていた。制作の林さんは「いま…

悪魔を汚せ

・こっちのブログで宣伝するのをすっかり忘れていたよ。あかん。前にも書いたが、台本以外の文章を書くのがしんどくてしんどくて。 ・稽古が始まっております。一昨日まで読み合わせの解釈稽古、今日からは立ち稽古。寺十さんの演出は役者を前のめりにさせま…

人と人とは

・シアタートラムで『同じ夢』を観て、アートステーションZで有志の方とおしゃべりをするという土日だった。 ・『同じ夢』を一緒に観に行ったのはこの人で、今年で二十五年のつきあいになる。友人でいちばん古いのがここのマスターで、四十五年目。次が安藤…

本を読め、空気を読むな

・書店員時代、態度も悪く物言いも横暴な女子高生のグループがいて辟易していたのだが、集団だと横柄な彼女たちも、ひとりになると突如として頼りなくなり、まともに口もきけなくなるのが不思議だった。あるいはよく買い物に来るヤクザがいて、ひとりだとお…

悲しい夢

・ひどく悲しい夢を見て夜半に目覚めた。それはもう絶対に実現するはずのない出来事で、決して笑顔で語り合うはずのない人びととたのしい時間を過ごしていた。なぜいまこんな夢を見るのか、わかるようでわからない。いや、わかっているのだ。わかっているが…

このところ

・メンタル的に不安定で前向きな気分にならない。体調も悪い。仕事をやる気にならず、PCの前に座っているだけで一日が終わる。 ・仕方ないので本でも読む。河出文庫から山田太一のエッセイ・コレクションが出ていて、先日発売された『その時あの時の今』は副…

さよなら、こんにちは

・そんな次第で平山と加藤を送り出し、奥野を迎えることになりました。 ・加藤に関しては、退団の意思を告げられたのはだいぶ以前なのです。されど鵺的は辞めても女優は辞めてほしくないという自分の思いがあり、あるプロデュースユニットが劇団化を考えてい…

真夜中の招待状

・今日も一日家の中。だがDVDを見る余裕くらいはできたので、野村芳太郎の『真夜中の招待状』を見た。なかなか見る気が起こらずに放置していた作品。 ・というのは、自分がガキの頃にテレビでオンエアされたのだが、始まる前に寝てしまい、翌朝祖母に聞かさ…

謹賀新年

・あけましておめでとうございます。 ・精神的なダメージと多忙で年末から引きこもっています。でも多忙でよかった。ヒマだったらダメージはもっと深刻になっていたかもしれません。ヒマは精神を侵すのです。凹みがちな人は無理にでも身辺を忙しくするとよろ…

『第一短編集』作品解説

・第一話の『ふいにいなくなってしまった白い猫のために』は、今年の初夏くらい、あるプロデューサーさんにお声がけいただき、ある空間で上演するために書き下ろす予定だったタイトルでした。兄と妹がいて、妹は今度結婚する、その挙式前夜、妹とその婚約者…

ズッキーニ!

・今回の『第一短編集』で上演する『ステディ』という作品には「恋愛対象は同性のパートナー、女とは遊びで寝る、けれどあくまでも自分はゲイ、バイセクシュアルじゃない」と主張する青年が登場します。自分なりにリアリティがあると確信しながら書いたもの…

どんな脚本家になりたいの?

・コンテストに入賞した当時は局の偉い人に会うたびに聞かれた言葉だ。さすがに最近では聞かれなくなったが、あまり自分で言葉にしたことがなかったので、あらためて書いておく。 ・ジョン・セイルズやデビッド・マメットみたいになりたいです。完。 ・よう…

第一短編集

・というわけで本日発売開始である。来年の五月まで本公演がないので、間にいままであちこちに書いた短編を集めてギャラリー公演をやろうと企画したものの、なんだかんだですべて新作になった。正確には『ふいに』と『くろい空』が新作で『ステディ』が蔵出…

高校演劇地区大会の審査員を務めたこと

・この連休中、高校演劇城東地区大会Bブロックの審査員を務めてきました。『丘の上、ただひとつの家』をご覧いただいたさる学校の顧問の先生が推薦してくださった結果です。演劇をやっているとこういう巡り合わせがあります。 ・他の審査員お二人が誰なのか…

三匹目の猫を送る

・2011年の4月から四年半飼った猫が今朝亡くなった。年齢は不詳だったが身体の状態から十五、六歳だったのではないかと獣医さんは言う。 ・うちの近所の草原にいた猫で、ひどい下痢をしていたのと、柄がその年の1月に亡くなった猫とおなじだったのに縁を感じ…

俺にもブログがあったんだった

・わざとじゃないんですよ。本当に忘れてるんですよ。だめですね、ほんと。 ・というわけで新作です。今年の本公演はこれ一本。ここしばらくの心境の変化が如実にあらわれた作品になったんじゃないかと思っております。 ・二十代の終わりごろ、安原顯さんが…

最近物忘れがひどいのだが

・いちばんひどかったのはこのブログを再開したのを忘れていたことである。今日ふと思い出した。もう十一月も後半だ。 ・『デュラ』も『黒子』も作業がシリーズ終盤で、公演が終わって余裕があると思いきや、ほとんどまったくない状態がつづいている。体調も…

九月になってしまった

・切羽詰まっている。やらなければならないことが多すぎて困る。 ・tsumazuki no ishi『寝覚町の旦那のオモチャ』を観てきた。今回は少年王者館との合同公演で、演出は天街さん。すっかり天街色に染まっているのだろうと思いきや、いつものtsumazukiの色を濃…

『羆嵐』再読

・終戦記念日だが打ち合わせ。三鷹は暑かった。 ・ツイッターのTLに三毛別羆事件の写真とされるものが流れてきて(無関係なものだった)、ひさびさに吉村昭の『羆嵐』(新潮社)が読みたくなり、kindle版で再読した。夢中になった。 ・吉村昭の筆致はほとん…

ブログを書くということ

・自分のことや自作について語るモチベーションがさがってきて、ツイッターと連動させるままにここを放置しておいたのだが、気まぐれに再開するのは年を取ったからである。四十六歳、二十歳の頃はついこないだのようだが二十六年前、二十六年後は七十二歳、…

初日の朝なんすけど

・『黒子』のシナリオチェックやってました。シリーズ構成はつらいよ。つうか花宮ムカつく。 ・おかげさまで本日初日は完売です。明日以降はまだまだお席ございますので全力でお待ちしてます。 鵺的第六回公演『幻戯【改訂版】』(第二十三回下北沢演劇祭参…

文章を書くことがつまらない

・楽しくないのです。なので長いこと更新しませんでした。 ・遅まきながらご来場ありがとうございました。俳優たちに助けられて、非常に充実した公演に出来たと思っています。これで血族の問題にケリをつけられたとは思っておらず、いずれまたチャレンジする…